「このシナリオは何件予約につながりましたか?」
とても大切な視点です。
私たちも日々、シナリオを表示したユーザーと表示していないユーザーの予約率を比較しながら、どの程度予約に貢献しているのかを確認しています。
WEB接客は予約を増やすための取り組みです。そのため、予約件数やCVR(コンバージョン率)が重要な指標であることは間違いありません。
しかし、運用を続ける中で、私たちはひとつの疑問を持つようになりました。
WEB接客の価値は、本当に予約件数だけなのでしょうか。
クリックも予約も目的としないシナリオ
例えば、私たちが運用している施設では、次のようなシナリオを配信することがあります。
- プール営業開始のお知らせ
- 花火大会や地域イベントのご案内
- 期間限定ラウンジコンサート
- 満月&新月の日や日の出時刻の情報
- 季節限定の体験プログラム
これらは、必ずしもクリックや予約を目的としているわけではありません。
それでも、
「そんな体験ができるんだ」
「知らなかった」
「その時期に泊まってみたい」
という気持ちを生み出している可能性があります。
旅館やホテルの予約は、料金や客室だけで決まるものではありません。
- そこでどんな時間を過ごせるのか
- どんな体験が待っているのか
- どんな思い出が持ち帰れるのか
その期待が少しずつ積み重なり、最終的に予約という行動につながります。しかし、その過程は数字として見えにくいものです。
WEB接客の価値、3つの分類
私たちはWEB接客の価値を、大きく3つに分類して考えています。
① 情報伝達価値
旅人が知らない情報を届けること。イベントや施設情報、周辺観光情報などを適切なタイミングで伝えることで、旅人の理解を深めます。
② 検討支援価値
旅人が比較・検討しやすくなること。客室の違い、プランの選び方、施設の特徴などを整理して伝えることで、予約検討を支援します。
③ 予約促進価値
予約への最後の一歩を後押しすること。期間限定プランや特典の紹介、離脱防止シナリオなどがこれにあたります。
WEB接客というと、どうしても③の予約促進価値だけが注目されがちです。
しかし実際には、
情報を知り → 魅力を理解し → 期待が高まり → その結果として予約が生まれる
という流れの中で予約は発生しています。
つまり、予約はゴールであって、価値そのものではありません
予約件数だけでは測れないもの
私たちはその過程で旅人に提供できた体験にも価値があると考えています。
だからこそ最近では、予約件数だけではなく、
- どれだけ魅力を伝えられたか
- どれだけ検討を支援できたか
という視点も重要だと感じています。
WEB接客は予約を促進する仕組みであると同時に、旅人とのコミュニケーションを育てる仕組みでもあります。
成果を見るときは、予約件数だけではなく、旅人との関係づくりという視点も忘れてはいけないのかもしれません。
私たちはこれを「顧客体験価値」と呼んでいます。
これからも、旅人が予約する瞬間を研究し続けていきたいと思います。